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勢一 守

Author:勢一 守
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勢一 守の雑記帳
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Sapphire Glass (Blue AR Coating)


つい先日、汎用修理用のサファイアガラスに Blue AR Coating(反射防止膜)仕上げのシリーズが
取引のある材料店に追加されました。

早速仕入れて、通常のサファイアガラスと比較した画像です。
左が Blue AR Coating のガラスです。

画像では見えませんが、
光源と角度によって青い反射が見えます。

年々商品が増えて便利になっていきます。
さすが、Swatch Group と部品供給問題で裁判をした会社です。
時計修理を行っている僕としてもこの会社には頑張って欲しいです。




しかし、
このガラスは日本製なのにヨーロッパから仕入れるという、なんという遠回り。

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時計ケース裏蓋部のネジ潰れの修理方法の一つ
ケース本体と裏蓋のネジ潰れと摩耗が酷く、まったく引っかかりもしない状態になった場合の修理方法の一つです。
今回は内径と外径にネジ切りを行った、インナーリングを利用した修理方法です。

まず、ケース本体の損傷したネジ部を削り取り、
ガスケット溝は確保した上でインナーリング接触部のネジ切りを行います。



この時計の裏蓋のネジ部の外径と内径の差は肉厚で、まだネジ切りの余裕がありますから、
裏蓋のネジ部のネジを切り直します。
内径と外径にネジ切りを行った、インナーリングを制作して、
組み込む際にねじの緩留剤を塗布使用してケースに装着させます。

casenezisyuuri2.jpg

旋盤を使い、流れた緩留剤を除去等行い仕上げて、
機械を組み込みます。
修理完了です。

casenezisyuuri3.jpg

他には肉盛溶接でネジ部を盛り上がらせてからネジ切りを行う修理方法もあります。
ただ、昔のステンレスは腐食等で変質している事もあり綺麗に溶けない事もあります。
溶射時の熱によるケースの歪みや応力によるケース割れも怖い所です。
ヴィンテージ品には加えなくて済むなら、熱を加えない方が安全です。

こういったネジ潰れになる原因は、
特に閉じる際、ネジのかかり始め間違いのまま締め付けてしまったり、
タイミングによっては不必要な、アキシアル荷重を与えてしまい、
ネジ山飛びや潰れを起こさせてしまう事です。

特にロレックスはネジ山潰れ修理のご依頼が多いです。
このタイプのオープナー引っかかり形状のものは
通して強いアキシアル荷重を加えたまま裏蓋を回される作業員の方が多いようで、
この現象を起こしてしまっている原因になっていると感じます。

卓上タイプのオープナーは
思っている以上にアキシアル荷重や締め付けトルクが強くなります。
開ける時は極始めの緩ませる時に、
閉じる時は最終締め付け時のみの使用が適切と思います。
手で回せるタイミングの内は荷重を与えず手回しで行うと、
このリスクはほぼ無くなります。
竜頭操作時のガリガリ原因の一つ
長年使用されてきた時計の地板は、
巻き芯の軸穴が摩耗して変形している事があります。



このような状態になると、ツヅミ車が上下左右にブレて、
側面に接触したり小鉄車に適切でない角度で接触する事になり、
ガリガリとした感触や巻き上げ不良等が発生します。
先端部の変形の場合は、少し穴を整えた後にブッシュを作り配置します。




巻き芯のオシドリ付近の穴が摩耗している場合は、
巻き芯抜けのやキチ車と丸穴車の歯飛びの原因にもなります。



巻き芯が香箱受けにも干渉する構造の機械なので、
受けを装着した状態で変形した穴を整えて、
適切なサイズのブッシュを作り、配置します。
オシドリと巻き芯接触部は開いている必要があるので、不必要な部分を除去します。



ブッシュの素材は真鍮よりも、強度的にベリリウム銅辺が好ましいと思います。
ただし、加工時にでる粉塵は吸引すると発がん性があるので、ご注意を。

汎用プッシャーを利用した修復方法の一つ。
古い時計のプッシャーはには、現行流通品形状や構造と異なったものがあります。
全てSUSの丸棒から削り出しての制作では無く、
材質にこだわらない場合は流通品を加工利用する事も有効な手段です。



この摩耗したヘッドを交換します。

pusher1_2.jpg

使用するステンレス製の汎用プッシャーです。

pusher1_3.jpg

軸を切断し圧入できる様にして、ヘッドの形を変え、内径をチューブに合う径に加工します。
チューブ側の構造と径に適した、片側雌ねじ、もう片側は圧入用に穴を開けた軸を制作します。

古いものにはまた違う規格のものもあり注意は必要ですが、
時計部品には、ミニチュアの S 規格が使用される事が多いです。

今回の元々のプッシャー軸には S 0.9 が使われておりました。
SUS316で軸を作りましたので、ネジ山の作製は盛り上げタップを使用します。
OSG の UM-NRT シリーズがお勧めです。
S 0.5 からサイズがあります。
ねじ山修復作業にも、切削タイプより綺麗に修復できますので、
機械部のネジ折れ込み後等のネジ山修復にも最適です。

pusher1_4.jpg

嵌合用の封着材を軸に塗り、軸を圧入してから、軸長さ等調整後に全体を磨いて仕上げます。

pusher1_1.jpg

青焼き鉄針作り
青焼きの鉄針の制作です。
中央の3針
クロノグラフ秒針・長針・短針
を制作しました。

永久秒針 と 分積算計針 は、金色に黒色塗装の塗装がされていた物の塗装を剥がし、
ニッケルメッキで銀色にした後、青色のセラミック電着塗装を行ったものです。



今回の作り方です。
まずは必要な穴を開けて、輪郭の参考線をケガキます。



線を参考に、
時計旋盤等に取り付けた切断砥石で削り取ります。
Minute Recording Jumper を作る時と同じです。



手ヤスリで輪郭と平面を削ります。
バローベの LAC や LEC シリーズが目も細かく小回りもききますので、とても使い易いです。
焼き入れされた部品の調整にも役立ちます。



磨いた後に青焼きを行い、
袴を制作・カシメ付けます。
現在は袴類はベリリウム銅を使用しています。

針と袴は一体成形にしない方が僕は良いと思います。
緩みのために確りと取り付けられずに接着剤で無理矢理固定された個体を、
数十年経ったヴィンテージで見る事が多いのですが、
そうなった際は袴の交換で容易に対応できます。
別の時計に付け替える際も、
袴を作り直しサイズを変更する事が可能です。



針の制作には、実体顕微鏡がとても役に立ちます。
キズミでは難しく、目も疲労し易いです。
機械整備や修理の際も実体顕微鏡を使用しますので、
倍率を変更できるズーム式のものはとても便利で キズミ は時計作業で使う事が無くなりました。


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